【中学受験6年】算数の成績が伸びない理由と秋の模試で見つける改善ポイント

お役立ち 2025年10月3日






勉強している小学生の写真
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中野講師 (学習プランナー)

京都大学法学部。小学6年生から受験勉強を本格的に開始し、1年間で偏差値を10上げて第一志望の難関中学に合格。限られた時間の中で成果を最大化する学習計画と、徹底した基礎固めにより合格を勝ち取った。

算数の成績が6年秋に伸びない理由

「夏休みにあれだけ頑張ったのに、模試の点数が下がってしまった…」
そう感じて不安になるのは、あなただけではありません。多くのご家庭が同じ壁にぶつかります。

ここでまず知っておいていただきたいのは、秋の模試で点数が伸び悩むのはごく普通のことだということです。

なぜ9月以降の模試で成績が安定しないのか。その背景にはいくつかの理由があります。

  • 出題範囲の広がり:夏に重点的に勉強した単元だけが出るわけではなく、これまで習った全範囲からまんべんなく出題される。
  • 模試の難化:2学期以降は授業内容も模試もレベルアップし、夏前より点を取りにくくなる。
  • 夏の反動と疲れ:夏に頑張った子ほど、9月に入って集中力が切れたり、模試中に気持ちが空回りしてミスを増やす。

こうした背景を知っておくことで、親子ともに冷静に「次にやるべきこと」に目を向けられます。

模試結果を算数の成績アップに活かす方法

模試は本番の縮図であると同時に、弱点を見える化する最高の教材です。

数字の上下に振り回されるのではなく、返ってきた答案を「次に伸びるための材料」として扱うことが、合格に近づく最短ルートです。

①:ミスを4つに分類する

  1. 知識不足
    例:公式を思い出せなかった。
    → 教材に戻り、基礎知識を再確認。
  2. 処理ミス・計算ミス
    例:図に数値を写し間違えた。
    → 丁寧にやり直し、どこで間違えたかを本人に説明させる。
  3. 読解ミス
    例:条件を読み飛ばした。
    → 問題文に線を引き、条件を声に出して確認する。
  4. 時間切れ
    例:最後の大問に未着手。
    → 各問題に「上限時間」を決め、オーバーしたら潔く飛ばす練習をする。

この仕分けをするだけで、弱点が見えてきます。

②:正答率をもとに優先順位をつける

  • 70%以上:必ず取るべき。
  • 30〜60%台:力を伸ばせるゾーン。やり直しで「次は取れる問題」に。
  • 10%以下:無理に粘らず飛ばす。本番でも割り切りが大切。

復習は「高正答率の失点 → 中正答率の差がつく問題 → 低正答率の問題(軽く触れるか飛ばす)」の順序が鉄則です。

③:やり直しを行う

  1. 答案を見て、どこでつまずいたのかを本人に説明させる
  2. 問題を丁寧に解き直す(途中の考え方も確認)
  3. 同パターンの類題を数問解き、定着させる

答えを確認して終わるのではなく、「説明できる」「類題で使える」ところまで仕上げるのがポイントです。

子どもを前向きにする声かけ

模試の返却後、子どもは結果を気にして落ち込みやすいもの。その時こそ、保護者の声が子どもの姿勢を大きく左右します。

OK例

  • 「本番じゃなくて良かったね。弱点が今わかって良かった!」
  • 「大丈夫、ちゃんと伸びてきてるよ」
  • 「どうすれば次はできるようになるかな?」
NG例

  • 「どうしてできないの?」
  • 「このままじゃ落ちるよ」
  • 人格や努力を否定する言い方

親として悔しい時もあるかもしれませんが、そこはぐっとこらえて「次につながる声」を届けてあげましょう。

まとめ

秋の模試は「下がった」と落ち込むものではなく、課題を発見して伸びるチャンスです。出てきた課題を一つずつ潰していけば、必ず本番の得点力につながります。保護者の皆さんも伴走者として、お子さんを励まし支えてあげてください。